ディストピア TOKYO

声明)山谷争議団/反失業闘争実行委員会/山谷労働者福祉会館活動委員会

by on 3月.25, 2009, under タウン情報, デモンストレーション, パブコメ, 声明

自警団・隣組の復活? 街頭行動・表現の自由が奪われる!
東京都「安全・安心まちづくり条例」改悪を許すな!
3・27都議会本会議採決に「NO!」の声を! 都庁へ!

 3月18日、東京都議会総務委員会で、「安全・安心まちづくり条例」の改定=改悪が、自民・公明・民主の賛成多数で採決されました。審議といえば、17日のみ、形だけのわずかな質疑で、都議会最終日の27日の本会議で成立する運びです。

 私たちは、この間、この条例改悪の危険性を、繰り返し訴えてきました。
 17日には、都庁前で抗議の情宣や、リレートークが呼びかけられ、私たちも山谷、渋谷など多くの仲間に寄り合いで呼びかけ、抗議の声を叩きつけました。13日には、東京都青少年・治安対策部安全・安心まちづくり課の担当課長らに直接問い質しました。
 なぜ今、「改定」なのでしょうか? ろくに論議もせず(有識者会議が突如提出した報告書が2月、翌日には都議会提出、パブリックコメント期間はたったの1週間だった!)成立を急ぐ理由は何なのか?

 2003年に制定された「安全・安心まちづくり条例」とは、本来、警察の仕事である防犯活動に、自治体、住民、事業者を組み込み、住民の「自主的」防犯パトロールを警察がバックアップ、監視カメラを広く設置するというもので、当時、警察官僚出身の竹花(広島県警本部長時代に、暴走族を徹底撲滅した「功績」を石原が評価して副知事に起用)が積極的に推進、以降、繁華街に監視カメラがやたらと増えるは、防犯パトロールが盛んに行われるは、歌舞伎町もすっかり「浄化」されるはで、街の治安管理が一段と強化されてきました。

 その上で、今度の「改定」では、新たな「指針」に基づいて、繁華街(何が繁華街かの定義は未だにあいまい。商店が複数あれば繁華街とも)「推進協議会」(事業者、地域住民、ボランティア、区市町村、警察などで構成)なるものを作らせ、警察主導のもと、いわば自警団がいつも「不審者」に目を光らせる体制ができることになります(予算も相応に組まれる、初年度は1億円とか)。

 ちなみに、この「推進協議会」のあり方は、地域ぐるみの戦争協力・有事体制づくりとしてつくられたあの「国民保護条例」にもとづく地域協議会に、なぜかよく似ています。

 この「推進協議会」の役割というのは、防犯パトロールはもとより、「大衆に多大な迷惑となるパフォーマンスなど、街の秩序を乱す行為」を防止することと啓発活動、さらには、「外国人の不法就労」を防止する啓発活動まで、義務付けられているのです。

 これでは、まるで戦前の隣組の復活ではありませんか。

 そればかりか、繁華街を訪れる来訪者も、「安全・安心の努力義務」が課せられます。そして、たとえば来訪者も「大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為を慎む」ことも義務づけられるので、野次馬で面白がるのも慎まなければなりません。

 ではこの「迷惑なパフォーマンス」とは何なのでしょうか? 担当課長に問い質したところ、「アキバのメイド撮影会とか、大音量のライブとか、落書きとか」ととってつけたような回答でした。まさか、本当にアキバのメイドが治安の脅威なのか? 大うそです。

 そもそも東京都の犯罪件数は減る一方なのに、最近しきりに強調されているのが「体感治安」という漠然とした不安。その典型ともいえる事例が、最近になって、立て続けに起きた野宿者への街頭炊き出しを中止に追い込んだり、署名を集めるなどの排斥運動です。

 複数の事例で共通したのは、(いずれも10年前後続いて定着している)一部の住民たちが盛んに煽る「(得体の知れない人が大勢集まる)不安」「子供が怖がる」というのが強調されていることで、なぜ今になって続発しているのか。

 都内各地で行われている炊き出しは、野宿者にとって、生存を支える貴重なもの。その日の一食が奪われることは大変な事態なのです。しかし、住民たちの無慈悲な排除・排斥運動が強化する背景には明らかに、一連の地域ぐるみの防犯・治安管理強化の流れがあります。

 これで、今後「推進協議会」が続々できて、活動すれば、どうなるでしょうか。あの町、この町で「住民が不安を抱く」「迷惑なパフォーマンス」として炊き出しを摘発し、中止に追い込むことが予想されるでしょう。

 注目したいのは、今回の改定案のベースをつくった有識者会議は、ことさらに「社会不安」を強調していることです。この3月の都議会で何としても成立させようと、パブコメまで大幅に短縮して、あわてているのは理由があります。それは間違いなく年始年末の「派遣村」に見られるムーブメントが治安管理上の新たな脅威になったからです。この先、「派遣切り」などで、路上に放り出される人たちが増え、労働運動(京品ホテルの争議のような職場占拠や社前行動などは「迷惑なパフォーマンス」?)や、街頭行動も盛り上がると、東京の五輪招致(東京は「治安の良さ」が売り。4月中旬には、IOCの委員たちが東京に視察に来る)にも差し障るというわけです。

 ならば、当局が容易に弾圧できる条例は不可欠。一方で、6年たっても成立の目処が立たない「共謀罪」も、50年前に「デートもできない警職法」と反対運動が広がって頓挫した「警職法改悪」みたいなのは、何かとむずかしい。そこへいくと「安全・安心〜」ならば、実績もあるし、住民アレルギーもないし、警察にとって旨味も多い(予算もとれるし、将来は「治安協会」でもつくって天下りも?)もう当局の思惑は見え見えではありませんか。

 こんな筋の悪い条例の改定など黙って許せば、将来に禍根を残すでしょう。多数決で通るとしても、これだけの反対の声が上がったことを示さなければなりません。

 3月27日(金曜)の本会議可決・成立に抗議する闘いをともに! 正午〜13時、都庁横歩道で、情宣とリレートークに集まろう。今後も、あらゆる現場、街頭で、ますます元気にパフォーマンスを繰り広げ、警察ー自警団の横行を許さない闘いに立ち上がろう!!

         山谷争議団/反失業闘争実行委員会
         山谷労働者福祉会館活動委員会
          TEL&FAX 03-3876-7073


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