ディストピア TOKYO

私は、市民が相互に監視しあう社会をのぞみません。

by on 3月.12, 2009, under パブコメ

東京都青少年・治安対策本部総合対策部安全・安心まちづくり課
パブリックコメント担当 さま

京極紀子 (神奈川県相模原市 女性)

「繁華街等における安全・安心の確保に関する考え方」へのパブリックコメントを送ります。

 有識者会議の報告書および「考え方」は、すでにある都の安全・安心まちづくり条例およびその考え方をさらに改悪・強化するものだと思います。私は、現在の条例は、「安心・安全」の名の下に行われる治安強化であり、市民を監視・管理するもの、またそうした考え方の中に市民を巻き込んでいく(動員していく)ものととらえていますので、その「改正」やあらたな条例化、さらなる規制強化について反対です。以下もう少し具体的に意見を述べます。

1.すでに「繁華街」とよばれるところにはスーパー防犯灯などが設置されるなど、24時間の監視体制が敷かれています。著しいプライバシーの侵害であり、それだけでなく常に「見られている」ことに対する精神的なストレスもものすごいです。

2.「考え方」は、事業者や地域住民が警察と一体となって市民を取り締まることを求めており、市民の「警察化」をねらっていると思います。つまり、監視カメラで不十分な部分を「人の目」というソフトで補おうという発想です。私は、市民が相互に監視しあう社会をのぞみません。協力させられるのもまっぴらです。

3.推進協議会の活動計画の中にある、外国人の不法就労防止の項目は、外国人に対する偏見や差別を醸成するものです。外国人=不法就労者=犯罪者予備軍のような安易な発想は単純すぎます。不法就労を余儀なくされる労働者の背景をこそ考えるべきでしょう。またその人たちが劣悪な労働条件で働かせられ、使い捨てられる構造が社会の中にあります。取り締まり、排除するだけでは、なんら問題の解決にはなりません。項目の削除を求めます。

4.同じように野宿者やホームレスの人たちに対する排除も懸念されます。経済状況の悪化で、失業し路上に放り出される人々の問題は他人事ではなく、誰もがホームレスになる可能性があります。排除は、生存権の侵害、基本的人権の侵害です。

5.また、「考え方」は事業者、地域住民だけでなく、ボランティアや来訪者までにも協力を求めるとあり、それぞれに事細かな事項を定めていますが、大きな問題を含んでいます。例えば「街頭での迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為を慎む」ということがかかれていますが、非常にあいまいかつ抽象的で、勝手に運用されかねません。これにより、私たちの街頭での自由な振る舞いが、恣意的に規制されます。これまで公安条例では規制できなかった市民運動や労働組合の街頭での宣伝活動や表現活動に警察が介入することが可能になります。実際、ビラまきが住居侵入罪で逮捕されたり、落書きが器物損壊罪で有罪になるなど、微罪逮捕がまかり通っています。最近では数人が道路を歩いていただけで逮捕される事態も発生しています。
 日本国憲法は憲法19条―思想良心の自由、憲法21条表現の自由を定めています。
 街頭でビラをまいたり、アピールしたりする行為は、戦後の社会運動がその運動の中で築き上げてきた私たちの権利であり、規制すべきものではありません。削除を求めます。

 総じて、私たち市民を犯罪者や犯罪者予備軍に仕立て上げ、取り締まる規制は人権侵害です。また私たち市民が警察官の仕事に協力させられたりするのは真っぴらご免です。


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