ディストピア TOKYO

インパクション168号 Politics&Action に記事

by on 4月.02, 2009, under タウン情報, 豆知識

 ・・・わたくしpotlatch も、4月15日発売の
 雑誌「インパクション」最新号に書かせていただきました。
 以下に抜粋して転載します。

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街は誰のものか? 不穏で不安な「東京都安全・安心まちづくり条例」

             ディストピアTOKYO・potlatch

 『・・・ポイ捨てといった軽微なマナー違反から、「外国人の不法就労防止」「暴力団追放」といった「それ一般人がやるの?」というような内容まで含む。繁華街の住人や事業者、教育機関、そして「来訪者」(通りがかりの人も? 都民にかぎらない)までが、警察・行政と連携して結成される推進協議会の下、相互監視につとめなければならない。迷惑な(と推進協議会が決める)パフォーマンスをする者、マナー違反者は「犯罪者予備軍」として即通報。外国人、暴力団関係者は何もしてなくても「犯罪者」。』

 『 ・・・これまでも、なんでこれが道交法違反? 住居侵入? 偽計業務妨害? 建造物損壊? という無茶な逮捕をまのあたりにしてきた。みんなで歩いてただけで、あるいは届出してるデモでも公安条例違反とか公務執行妨害。警官が自ら110番通報してビラまき妨害。違法な職質は四六時中あちこちで起こっている。そうしたファナティックな警察の横暴は、少なくない反感を買ってきた。それらがすべて「迷惑」の一言で、条例違反に問えるようになるのだ。これをディストピアといわずして何と呼ぶ?』

『・・・私も当初は、「観る側にとっても楽しい、別に人に危害を加えるわけではないパフォーマンスが迷惑だと!? フザケルナ」程度のとらえ方であった。しかし、もっともヴィヴィッドにこれに反撃を開始した野宿労働者・支援団体や、独立系労組の仲間たちからは、すでに街中で一〇年以上に渡って行われてきた「炊き出し」が住民の苦情を理由に中止に追い込まれている事実、不当解雇や賃金不払いに抗議する社前行動や署名集め、そして「派遣村」のような試み、すなわち「生存」にかかわる活動全般への規制が懸念されている。3月22日、新宿で急遽実施された「ビラまき・パフォーマンスを非合法化する『安全・安心まちづくり都条例』改悪反対緊急デモ!」では、「生きることは迷惑か!?」と書かれたバナーが掲げられた。カートに積まれた野菜を、参加者が各々自由に手づかみで食べながら歩くパフォーマンスは沿道の目を惹いた。』
 
『・・・表現者たちによる「表現の自由」規制へのプロテストも、怒涛の勢いで広がっている。街頭パフォーマンス、コスプレビラまき、フライヤー・ロゴ、ボム、そしてyoutubeへの映像公開など、把握しているだけでもけっこうな数にのぼる。こと新宿アルタ前で行われたフラッシュ・モブは話題を集めた。きっちり一時間、どこからともなく集まった約一〇〇人が好きな文章を読む。立っている人も坐っている人もいる。寝っころがりながら、あるいは歩きながら読んでいる人もいる。ある種のハプニングだが、街を歩く人々もメディアも好意的にとる向きが多かったのは、街がほんらい自由な空間であること、みんなが穏やかにのんびりしている光景、それぞれが好きなように街を楽しんでいるようすはそれだけで安心感を与えるからだろう。』

 『・・・ 私たちにできること。それは、「表現の自由」を手放さないこと。私を、あなたを監視するのではなく、平和に生きる権利を尊重しあうこと。』

インパクション168(特集・揺らぐ新自由主義 ベーシック・インカムの可能性)
  2009年4月15日発売 http://www.jca.apc.org/~impact/


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