ディストピア TOKYO

恣意的なやり方で繁華街と定められては住民としてはとても納得できない。

by on 3月.11, 2009, under パブコメ

 「繁華街等における安全・安心の確保に関する考え方」の内容について意見を提出する。
 東京都安全・安心まちづくり条例の第1条の目的は『東京都の区域における』とし、第2条の基本理念では『都並び特別区及び市町村』と東京都全域が東京都安全・安心まちづくり条例の対象地域とされている。なぜそれを変えるのか。
 『東京都安全・安心まちづくり有識者会議の報告書』によれば繁華街の定義として【鉄道の駅周辺や都市の中心部等において「飲食店、小売店舗その他の店舗が相当数集積する区域」を「繁華街」として概括的に定義】するとしている。これではあまりにも概括的すぎて定義の名にふさわしくない。
 例えば、私の住んでいる渋谷区千駄ヶ谷には3つの駅がある。地下鉄が併設されている代々木駅、地下鉄の国立競技場駅がごく近くの千駄ヶ谷駅、地下鉄のみの北参道駅である。この中で北参道駅や千駄ヶ谷駅の近辺は飲食店がほとんどなくとても繁華街とは思えないが、『東京都安全・安心まちづくり有識者会議の報告書』によれば繁華街になってしまう。
 このような恣意的な定義で繁華街と定めれば東京都のいたるところに繁華街ができてしまう。このような恣意的なやり方で繁華街と定められては住民としてはとても納得できない。「鉄道の駅周辺や都市の中心部」の範囲の確定と「飲食店、小売店舗その他の店舗が相当数集積」とはどの程度の密度を指しているのかを明確にすることを求める。
 こんなやり方では交通が発達している23区では繁華街だらけになってしまい、あまりにも恣意的な上に一般常識ともかけ離れている。
 このようなずさんな箇所は他にもある。繁華街の来訪者に対し「次のような対策の実施に努めるものとする」として「街頭や歩行者天国において大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、町の秩序を乱す行為を慎む」と定めている。千駄ヶ谷や北参道駅は普段は乗降客が多くはないがサッカーなどのイベントや明治神宮の初詣客などで臨時改札をつくったりして一時的ににぎわうことがある。こういう改札の列待ちや信号待ちも「大衆の多大な迷惑」となる可能性がある。まったくおかしいといわざるを得ない。
 しかもこれらの行為は来訪者だけがするのではなく、事業者も地域住民も行なう可能性がある行為だ。来訪者だけ取り締まるためにどのような手段をとるつもりなのだろうか。
 この条例は机上の空論であり、顔を洗って出直して来いと言うべきものでとても賛成などできない。

 (渋谷区・男・35歳・自営業)


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