犯罪、減ってますけど?
by potlatch on 3月.16, 2009, under タウン情報, 豆知識
東京都安全・安心まちづくり条例が「改正」されたらどうなるか。
治安といったら警視庁。東京都安全・安心まちづくり条例が施行されたとき、警視庁はこう言っていました。
【警視庁の説明】
<条例の目的>
この条例は、東京都の区域における個人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす犯罪の防止に関し、東京都、都民及び事業者の責務を明らかにするとともに、安全・安心まちづくりを推進し、安全で安心して暮らすことのできる社会の実現を図ることを目的としています。
【現実】
「東京においては、平成15年から6年連続して刑法犯の認知件数が減少し、東京の治安は回復傾向を示してきた」(by東京都安全・安心まちづくり有識者会議)
平成15年は東京都安全・安心まちづくり条例が施行された年です。
その年から6年連続して刑法犯の認知件数が減少したことに、東京都安全・安心まちづくり条例も何ほどかの貢献してるよねえ。よかったね。
今回の「改正」で繁華街を加えるなら、繁華街では刑法犯の認知件数が増えていると思うんだけど、なんでデータ出してくれないの。
まさか繁華街での刑法犯の認知件数も減っているってことはありませんよね。
それと秋葉原だとか八王子だとか、個別の事例を持ち出すのは悪質なイメージ操作です。それならこっちも新宿騒乱事件だとか、深川通り魔事件だとか持ち出すよ。
【安全・安心まちづくりに向けた取組】
警視庁といたしましては、都民の皆さんや関係行政機関と協力しながら、
■ 地域における犯罪情報等の積極的な提供
■ 防犯ボランティアに対する助言等の支援
■ 共同住宅の建築主に対する建築確認申請時における助言
■ 金融機関店舗等に対する必要な情報の提供や技術的助言
■ 学校等の安全対策の推進
■ 通学路等における児童等の安全の確保
など、この条例に基づき、施策を積極的に推進します。
【現実】
「新宿歌舞伎町地区、池袋地区、六本木地区、渋谷地区等において違法風俗店、ピンクビラ、違法看板、落書き等盛り場が抱える諸問題に対して、関係区及び警察等と共同して対策を進めてきた」(by東京都安全・安心まちづくり有識者会議)
歌舞伎町ルネッサンス推進協議会や、池袋地区組織犯罪根絶対策協議会、六本木安全安心パトロール隊、渋谷センター街パトロール隊による地域での取り組みや、警視庁が四地区特別対策本部を設置して盛り場環境浄化対策に積極的に取り組んでいるのは知っていますよ。
だからこそ6年連続して刑法犯の認知件数が減ったんでしょう。街に活気がなくなったなどの批判の声もあるようだけど、なにはともあれ良かったね。
ところでさあ、盛り場対策の効果が出ているのになんで繁華街なんて加えるの?
しかも繁華街の定義として【鉄道の駅周辺や都市の中心部等において「飲食店、小売店舗その他の店舗が相当数集積する区域」を「繁華街」として概括的に定義することにした】(by東京都安全・安心まちづくり有識者会議)ってさあ。
鉄道駅の周辺ってことは、鉄道駅は繁華街では無いってことなの。駅ナカは繁華街じゃないんだ。また「都市の中心部」ってどこよ。新宿の中心部って言われて「アルタ前」って答える人もいれば、新宿小田急デパート前って答える人もいるでしょう。私には意味が分かりません。
「飲食店、小売店舗その他の店舗が相当数集積する区域」って何。よっぽどのことがなければ商店街はみんな繁華街ってことなの。こう考えるとどこもかしこも繁華街になりかねないよ。
こうなると警察のお仕事も増えて大変だと思うけどなあ。
警視庁の皆さん、それに伴って人も金も増えて万々歳、これで将来も安泰だって思ってませんか。もしかしてそれが狙い?
こんなことやっていたら、いずれ、国策調査批判の検察だけでなくて警察も批判の的になりますよ。
「国内の景気や雇用環境などが悪化する中で、社会情勢がますます不安定化、不透明化し、犯罪の増加が懸念される」(by東京都安全・安心まちづくり有識者会議)
なら国内の景気や雇用環境を良くし、社会情勢を安定化、透明化するほうが犯罪の減少につながるように思うんだけど、ここらへんに取り組む気ありますか。
(注)東京都安全・安心まちづくり条例の施行について〜安全で安心して暮らせるまちづくりに向けて〜
の全文は以下で確認できます。