ディストピア TOKYO

都議選ガイダンス 東京・生活者ネットワークの巻 山口文江議員(練馬区選出) 

by on 7月.10, 2009, under タウン情報

★東京・生活者ネットワークの巻 

 同じく3月17日・18日の総務委員会における、山口文江議員(東京・生活者ネットワーク・練馬区選出)の発言をご紹介します。ただし2期をつとめた山口議員は「勇退」、とのことです。

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▼3月17日 総務委員会速記録第四号ヨリ
東京都議会トップ > 委員会の速記録 > 総務委員会 > 速記録第四号
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010178.html

〇山口委員

 ずっと先ほど来の皆さん、委員とか理事の方たちとの答弁のやりとりを聞いていると、今回は秋葉原とか八王子など、都内で相次いだ無差別殺人事件などを契機に有識者会議を開き、その報告書に基づきこういう条例改正の提案をしたと。

 ところが、その無差別殺傷事件というものに対しては非常に動機が不可解であり、それはいつ何どきに起こるものか予測がつかないと。そして、条例そのものは、他者の行動に対して規制をかけたり、それから表現の自由や何かを決して規制するものでもないから、個人の自由な表現が萎縮することはないとおっしゃっているんですね。

 いろいろ聞いていると、繁華街ということも、どこがどういうものが繁華街ということもなかなかわかりにくいわけですよね。事業所、いろいろな事業者が集まっているところとか、いろいろな方が集客して、集まってくるというと、私なども自分の通り越してくる西武沿線、幾つかの駅でも、あそこもそういえばそうだ、ここもそうだ、あそこもそうだという、そのことも非常に判断しにくいということなんですけど、ちょっと確認なんですが、この条例を改正して、具体的にどのような防犯対策が新たにできるというのか、ちょっとその点、確認になるかもしれませんが、伺いたいと思います。
〇八木沼治安対策担当部長
 繁華街等の防犯対策を推進するに当たりましては、地域の事業者や住民、それから区市町村、管轄警察署等で構成されます推進協議会が設置される予定でございます。

 こうしたところに対しまして、例えばソフト面では、防犯環境、防犯パトロールや、それから環境美化などの自主的、継続的な地域ぐるみの防犯活動が一層促進されるというふうに考えております。また、ハード面では、防犯カメラや街路灯の防犯設備の整備が、これもさらに充実強化するというふうに考えております。
〇山口委員
 ハード面の防犯カメラとか街路灯の設置とか、あとは住民のパトロールとか繁華街の美化活動というものは、これがなくても、今までも治安対策本部も治安の対策の推進事業の一環としてやってきたし、これからも可能だと思っていいわけですね。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまご答弁申し上げたとおりでございますけれども、これまでも私どもは区市町村や、それから警視庁、それから地域の関係団体の方々と連携協力しながら、いろいろな取り組みを実施してまいったところでございます。ただ、今回のこの条例改正によりまして、さらにそうした方々と連携しながら、この繁華街等の安全・安心まちづくりを進めて、推進してまいりたいというふうに考えております。
〇山口委員
 その中でも、いろいろな個人の行為に対して、直接これがいけない、あれがいけないといったりすることでもないとかいうことなんですけれども、ちょっと定義ができない繁華街なんですけれども、一応これは繁華街等を対象に推進協議会が設置されて、その協議会の役割の一つとして、繁華街等の区域を定めるというふうにあるわけですが、先ほど来いわれているように、なかなか明確な定義がないものをある意味限られた人たちで決めていくということに問題があるのではないかというふうに考えるんですけれども、その辺の見解はどのようにお考えになりますでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 繁華街等の区域につきましては、地域の実情を踏まえながら、事業者や地域住民の方々、さらには区市町村や管轄警察署等で構成されます推進協議会で、例えばこのエリアでしっかりやっていこうというふうなことを判断して定めるものというふうに考えております。そういう意味では、問題はないというふうに考えております。
〇山口委員
 そこが問題だと思う人と、問題でないというところの差を埋めることがなかなか難しいかなというふうに思います。
 その協議会のメンバーは、事業者や地域住民で、それからボランティア、自治体、所管警察とあるんですけれども、この中で私は一般的な住民として考えると、やはり所管警察の発言がその中で大きな影響を及ぼしていくというようなことをちょっと危惧するんですが、その点はいかがでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 所轄警察の発言が大きくなるんじゃないかというふうなご質問でございますけれども、推進協議会におきましては、地域の実情を踏まえながら、メンバーそれぞれが役割分担を担って、連携協力しながら運営されることになるというふうに考えております。
〇山口委員
 先ほど松村理事の方からの答弁で、ちょっと私が聞き違っていたら申しわけないんですけれども、この条例に対して、この条例にとって、例えば協議会とかが行う行為が違法か違法じゃないかといったときには、この条例そのものが罰則を科したり、規制をかけるものではないので、違法とか違法でないということは生じないとおっしゃられましたよね。そして、もし違法であるとしたらば、この条例に基づいたものではないというふうにご答弁されたと思うんですが、それは間違っていませんか。
〇八木沼治安対策担当部長
 これも先ほどご答弁申し上げましたとおり、そのとおりでございます。
〇山口委員
 ところが、先ほど来パフォーマンスだとか、他人に迷惑をかける行為だとか、それからいろいろな安全・安心というものに対するものの考え方とか感じ方というのはそれぞれ違うわけですから、例えばその協議会のメンバーが、自分はこれはもうと思ったものが、もしある意味きちっと法に照らしていったら、実はそれが違法であった。例えば個人の権利を侵害していたとか、それは個人のプライバシーにかかわることではないかというようなことになったときには、それをもしやってしまった人は、私たちの安心・安全条例に基づくものじゃないし、それはほかの法律がやることで、あなたがやったことは侵害ですよといわれたら、その行った行為の人は逆にほうり出されてしまうということ--この法律に基づいて、自分はこの法の協議会にのっとってやったと思っても、万が一それが逸脱していた場合には、それはあなたが勝手にやった行為ですよというふうにほうり出されてしまう可能性はあるんですか。ちょっとそこのところが気になったので、確認させていただきたいと思います。
〇八木沼治安対策担当部長
 どういう事態、その行為とかがなるのかというのは、ちょっと具体例を挙げてというのはなかなか難しゅうございますけれども、推進協議会で、自分のところでは、この繁華街等をさらによくしていこうということで取り組んでいくわけでございますから、皆さんで話し合って、こういう事項について取り組んでいこうということで行動をされていくというふうに考えます。ただ、その行為がもし違法じゃないかというふうなことが、例えばよしんばあったとした場合には、それは、その当事者同士で話し合って、問題を解決していくということになろうかと思います。
〇山口委員
 それからもう一つ、パブリックコメントが求められているんですけれども、この考え方について、実際には、期間が二月九日から十六日までの八日間、条例の改正案が公表されたのが十八日ですから、その二日前までのわずか、それも八日間というふうに計算していいんですか、そのパブコメ自体も非常に求められた期間も短かったということもあるんですが、到底、その二日後には公表しているということであると、意見反映--大体パブリックコメントというと、それについてのいわゆる一般市民や都民のいろいろな方たちの意見だから、そこのところで何か意見反映をされるというふうに私どもは考えて、パブコメというのは皆さん提出されるわけですから、とてもこの二日のわずかな間で意見反映をするというふうにもとらえがたいこのパブリックコメントの行い、実施の方法だと思うんですけれども、このパブコメの目的は一体何だったのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 パブコメの目的についてでありますが、東京都安全・安心まちづくり有識者会議報告書の趣旨を踏まえまして、繁華街等における安全・安心の確保に関する考え方を取りまとめたものでございまして、この内容について、都民の皆様から幅広く意見を募集するために実施したものでございます。
〇山口委員
 幅広く意見を募集して、そのような意見もあったんですねということにとどまってしまったというふうにとらえるしかないですよね。そうですねとはお答えできないかと。

 それで、これも九月からこの有識者会議が四回開かれて、一月二十日に報告書が出されて、二月十八日にこうした条例改正案が出されたということでいうと、非常に割合短い期間であったのかなというふうに思いますし、多分私どもの方にも、やはり歩行者天国とかのパフォーマンスとか、いろいろなことに対して表現の自由が規制されるのではないかというたくさんのファクスが届いています。当然、局の方にも相当それなりのご意見とか、ご批判とか、直ちにこんなものは廃案をしろという厳しいご意見とかも届いていると思いますので、非常にこういうところではもう少し、改正するんであれば、慎重にしなければならない。

 それから、ずっとこのやりとりを聞いていると、本当にすべてがあいまいで、確かに規制するものでも強制するものでもないというところは、私どもはそれはそれで一つの抑えではあるんですが、ただ、いろいろなところで、一体その他、例えば風俗営業だとか、それから暴力団の問題とか、それから外国人の不法就労というようなものは、それぞれの法律でちゃんと規制することが可能なわけだし、警察としてちゃんときちっと法律にのっとって警察が対処できることもあるんだとすると、なぜこの条例を改正しなければならないのか、本当にそこのところが、ずっとずっとやりとりを聞いていれば聞いているほどわからないんですよ。必要性が認められないんです、どうしてもね。

 何でこれをあえて、非常にあいまいであり、特段何か非常に義務を課すわけでもないものを今ここで改正しなければならないのか。そして、多くの団体や法曹界の人たちからも危険性がいわれていることをなかなか払拭できない部分もあるかと思いますし、私も法律の専門家ではありませんので、この法律上の不備ということはなかなか深く指摘はできないんですが、そういった点も指摘されるような中で、あえてこの条例改正をする必要性は、私は、生活者ネットワークとしては認められないということを申し上げまして、私の質問も大分重なりましたので、これで終わらせていただきたいと思います。

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 「んで、結局のところ、わざわざ改正する意味あんの?」という、あるいみとっても素朴で、率直な、それだけに見事なツッコミに、まったく我が意を得たり! という気がします。翌日の総務委員会採決でも「反対」を表明されました。

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▼3月18日 総務委員会速記録第五号ヨリ
東京都議会トップ > 委員会の速記録 > 総務委員会 > 速記録第五号
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010179.html

〇山口委員
 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成二十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
(略)
 青少年・治安対策本部について申し上げます。

 一、若年者自立支援プログラムは専門家等の相談体制を充実し、関係局との連携や市民との協働により丁寧に取り組むこと。

 一、安全・安心のまちづくりを進めるため、市民との協働による新たな自治の確立とコミュニティの形成に努めること。

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