ディストピア TOKYO

街中でメシを食うのは迷惑か?

by on 4月.01, 2009, under The 職質, タウン情報, 体験談, 映像・表現

『 3/22、安全安心まちづくり都条例改悪に反対して行われたデモに、「路上で炊き出しは迷惑か」「街中でメシを食うのは迷惑か」「Food first, Tax later!」をスローガンにFood Carを出しました。
 小さなカートに、生野菜のスティックと調味料を載っけたもの。
 野菜は大根・きゅうり・ニンジンのスティックにザク切りキャベツ。
 ついでに剥いた大根の皮を刻んで酢醤油に漬けたハリハリ漬け。
 調味料は味噌と豆板醤を混ぜた辛味噌とマヨネーズ、お塩。
 用意に30分。とってもお手軽。

 なんでこんなのを出したかと言うと、「子供が怖がる」という地域の大人たちのクレームを口実に、山谷(ヤマ)の方で炊き出しが中止に追い込まれるという、「安安条例改悪」を先取りした排除が既に行われていることに危惧の念を覚えたからです。

 「メシを喰らう」というのは生きることの基本です。
 昨今の、特にリーマン・ショック以後の派遣切りや倒産解雇etc…の状況下で、非正規雇用でどこにも話の持ってゆきようがない、社会的なセーフティー・ネットもない、となれば、そりゃ街中に人が溢れるに決まってんだろ!
 その時にメシを供給することの何が迷惑かと思うのです。

 あいにくの雨で「こりゃ誰も食べないかなぁ」と心配もしたのですが、案外好評だったようで、表に出しておいた分はきれいになくなりました。
 楽しげに食べてる様子は以下のサイトにもアップされているので、ご覧下さい。
 http://www.youtube.com/watch?v=y-dRqJQQ9bQ

 で、意気揚々とカートをゴロゴロ押しながら帰ったわけですが。
 家に向かう道すがら、警察署前ですれ違ったパトロール・カーが、一端通り過ぎた後わざわざUターンしてまいりました。

 「ちょっといいかな」とパトカーから降りてきた警官二人組。
 「なに。なんか用」と歩き続けるあたし。
 「いや、ちょっと聞きたいことが」
 「だからなに」となおも歩き続ける。
 「いや、だから聞きたいことが」
 「なんかあたし問題?」
 「ほら、そのカート、盗品だったら困るからさ」と。
 「夜中にカート押してたら全部盗品かいっ! 何を根拠に言ってんのよ」
 「いや、止まらないのはやましところがあるからでしょ?」
 「職務質問に応えるかどうかはこっちの勝手でしょ。犯罪の蓋然性とやらがあって緊急逮捕とかでもない限り」
 「職務質問に応えないってのは十分に怪しいんですよ」
 「何を本末転倒な」

 ここで一人の警官が前に回り込んで、挟み込まれ、以後20分不毛な論議が続く。
 最後は、調味料やタッパー見て「なに、露天商? 農業カンケーの人? 大変だね、がんばって」
 最初から見りゃわかるだろっ!
 おかげで銭湯に行きそびれた。

 これねぇ、別に盗品ウンヌンの問題でねくて、ともかくヤツラが「怪しい」と思ったらなんでもアリなのよね、きっと。
 ヤツラの頭の中では。
 こんなのを当たり前をとする、「人を見たら不審者と思え」的な社会はホントーに勘弁していただきたいと思った一日でした。』

(ピッポ)


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