ディストピア TOKYO

都議選ガイダンス 日本共産党の巻 松村友昭議員(練馬区選出)

by on 7月.10, 2009, under タウン情報

 potlatchです。これまでの記事を読んで「投票しても意味なし?」と思う方も多いかも知れません。
 が、ご安心を。びしっと「安全・安心まちづくり条例」に反対!を主張した議員さんも何人かいらっしゃいます。ご紹介していきます。

★日本共産党の巻

 3月17日、総務委員会での、松村友昭議員(日本共産党・練馬区選出)と、治安対策担当部長・八木沼君の、緊迫感あふれる丁々発止をお届けします。長いです!

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▼3月17日 総務委員会速記録第四号ヨリ
東京都議会トップ > 委員会の速記録 > 総務委員会 > 速記録第四号
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010178.html

〇松村委員
 安全・安心まちづくり条例改正案の規定のあいまいさや、ずさんな条文について指摘し、ただしておきたいと思います。

 まず、繁華街等の定義規定がなされていません。これはどういうわけでしょうか。どの法律や条例でも、〇〇等という表現が使われる場合、必ずその意味についての説明があります。この場合、本条例第十八条の二は、本来はこのように書かれていなければならないんじゃないでしょうか。繁華街その他の店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域、括弧してすぐその後に、以下繁華街等という、という断り書きがなければなりません。この条例の是非を別にしても、これはきちっとしておかなければ、条文上まずいんじゃないでしょうか。この改正案の本体の条例を見ますと、すべてそういうふうに書かれておりますよね。この点についてはどうなんですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 繁華街を定義することは大変難しいと考えております。現に、繁華街という用語は既存の法律でも定義せずに用いられておりまして、一般名詞として用いられているというのがございます。したがいまして、本条例改正案では定義しておりませんけれども、条例の対象となる地域を規定するために、店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域としておるところでございます。

 なお、本条例におきましては、「繁華街その他の店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域」という部分を繰り返して用いることを避け、法文を簡略化するために、繁華街等と略称しているだけでありまして、特に、以下繁華街等という文言を入れなくても問題はないと考えております。
〇松村委員
 私も法律の専門家じゃありませんから、確かなことは断定できませんけれども、しかし、ここでは繁華街等というのがその後繰り返し出てきますよね。そしたら、やっぱり条文規定をきちっとしておかなければまずい。ここの中にも、繁華街その他の店舗が集積しというと規定は難しいといいますけれども、繁華街、それ以外じゃなくて、その他のというのは、繁華街の中に含まれるかどうかですね。

 後でも伺いますけれども、だれがどの範囲でこれを決めるかといったら、推進協議会というような話も伺いました。この条文そのものの規定があいまいだということは、非常にやはり混乱させるというか、この条例そのものが私は成り立たないような気がしますけれども、どうして今のように、例えば、ご答弁があったとおり、繁華街その他の店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域、それを括弧して、以下繁華街等ということでは、法文上というか、あなた方の考えている繁華街の認識や規定とは違うからそうしないというのですか。ただ、文言を略して読めば、そのことを指して繁華街等というふうに指すんだなんていうことは、これは皆さん、法律というか条文ですよ。おかしいと思いますけれども、修正し直すべきじゃないでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまご答弁申し上げましたように、本条例におきましては、「繁華街その他の店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域」という部分を繰り返して用いることを避け、法文を簡略するために、繁華街等と略称しているだけでございまして、特に、以下繁華街等という文言を入れなくても問題はないと考えております。
〇松村委員
 繰り返しになりますけれども、この条例、例えば、以下「都」という、または、以下「都民等」という、以下「区市町村」という--ところが、繁華街等だけはどういうのを指すか規定されていないと。読めばわかるとか、そんなのおかしいですよ。検討し直すべきだというふうに、この点は指摘しておきます。

 それから、改正案、それから考え方、指針ですね。これのいう繁華街等はどのような範囲のものか。一つ一つの商店街が単位となるのか、それとも〇〇駅周辺、△△区東部といった広域なものなのか伺います。
〇八木沼治安対策担当部長
 本条例の対象となる繁華街等とは、店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域でありまして、特定の地域や範囲を規定しておりません。繁華街等の区域につきましては、地域の実情を踏まえながら、推進協議会において判断し、定めるものと考えております。
〇松村委員
 それが、私たちこれ、条例を決定するんですけれども、余りにも無責任と、私は提案者の方に、そういうあいまいな規定で、それを何か推進協議会が判断して定めなさいというのは、私はやっぱり法律として、条例としてもおかしいということをこの点でも指摘します。

 それで、新宿の場合、西口、東口、南口などに店舗、商店街が広がっていて、切れ目はありませんけれども、これらは一つ一つ繁華街等か、それとも細分されるのか伺います。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまご答弁申し上げましたように、例えば新宿の場合につきましても、どこを繁華街等の区域に定めるかということにつきましては、地域の実情を踏まえながら、推進協議会において判断して定めるものと考えております。
〇松村委員
 有識者会議報告にある秋葉原ではどのようになりますか。また、同じく八王子ではどのようになるのかもお答えください。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまご答弁申し上げましたとおり、秋葉原、八王子におきましても、それぞれ地域の実情に応じて、推進協議会が判断して定めるものと考えております。
〇松村委員
 繁華街等の中にあるショッピングモールや百貨店も繁華街等に入るのですか。駅の構内はどうなんでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 ショッピングモールや百貨店、それから駅の構内はどうかというご質問でございますけれども、これらの施設につきましては、そもそも管理者による管理体制が整備されているというふうに考えております。防犯対策につきましても、独自に充実が図られているのではないかと考えております。
〇松村委員
 繁華街等に入らないということだと思います。

 それでは、繁華街等の単位ごとに推進協議会を立ち上げるのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 ショッピングモールや百貨店、駅構内が必ずしも繁華街等に入らないというふうに、今、私は申し上げたわけではありませんで、万が一そこを含めて、ここは繁華街として、みんなできちんとやっていこうというふうになった場合には、そのエリアの中にあれば加わっていくと思います。ただ、その施設単体ということでは、ただいま申し上げましたように、やはりちゃんとした管理者がおられて、ちゃんとした防犯対策をとっておるという意味では、そこ単体では含まれないんじゃないかというふうに理解しております。

 繁華街等の推進協議会の立ち上げについてでございますけれども、これは、繁華街等ごとに推進協議会が立ち上がるものと考えております。
〇松村委員
 事業者、地域住民とは具体的に何を想定しているのですか。商店会とか町会連合会でしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 指針に定めます事業者とは、繁華街等に事務所または事業所を持ち、一定の目的と計画に基づきまして経営する経済的活動を行う者及びこれらの者によって組織される団体であります。
 また、地域住民につきましては、繁華街等に居住する住民及びこれらの者によって組織される団体であると考えております。商店会とか町会連合会も含まれるというふうに考えております。
〇松村委員
 その事業者等の用語についてですが、地域において、店舗、駐車場その他の施設もしくは土地を所有し、もしくは管理する者または事業を営む者、地域住民、ボランティア及び来訪者をひっくるめて、事業者等と定義していますよね。

 他方、第二条の基本理念においては、都民、事業者及びボランティアを都民等と定義していますよね。そうすると、事業者を含む者を都民等と定義し、来訪者まで含む者を事業者等と呼称するのは、明らかに矛盾というか、おかしいんではありませんか。
〇八木沼治安対策担当部長
 本条例では、「店舗、駐車場その他の施設若しくは土地を所有し、若しくは管理する者又は事業を営む者、地域住民、ボランティア及び来訪者」という部分を繰り返して用いることを避け、法文を簡略するために、事業者等と略称をしているところでございます。

 繁華街等の活性化を図りつつ、一層安全・安心な場所としていくためには、行政や警察による対策に加えまして、事業者や地域住民等による自主的な取り組みが重要であります。主として事業者を指したい場合には、重複する要素が含まれる場合であっても、事業者等と略称することができるというふうに考えております。
〇松村委員
 私も、繰り返して法律の専門家じゃありませんけれども、今まで条例等は本当に大事ですよね。しっかりとそれに基づいてやる中で、この定義規定がない。先ほどは、この条例には定義規定、やっぱりしているんですよ、何々といって、以下事業者等とか。先ほどの繁華街等はないからおかしいというふうにいったら、それは余りにも、条文というか長いので、略称して繁華街等でわかるんだと。

 ところが、今のは驚きましたね。事業者等というのは、これは私は定義規定だと思ったら、そうじゃないと、略称で事業者等といってるんだと。もしそれが事実で、この条例、条文をつくっているんだったら、私は大変なことだというふうに思いますけれども、もう一度本当にこれで条例としてきちっとしたものに成り立つのか、たえ得るのかどうか、やっぱり検討すべきではありませんか。私、特に今の繁華街等だけが定義がないのがおかしいといったら、そうじゃなくて、以下いっている事業者等とか、都民等というのも、定義がなくして、ただ長いから略称して等といっているんだという見解は、私はこれは絶対承服できないというふうに思います。この点はやはり強く再検討するように求めておきたいというふうに思います。こういう条例を本当に通すことがこのままではできないというふうに思いますし、その是非はともかくとしてですよ。

 次に、ボランティアとは具体的にはどのような団体を考えているのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 この条例改正に当たりましては、条例等を所管する専管局としっかりと協議をしながら進めております。

 ボランティアとは具体的にどのような団体を考えているかということでございますが、ボランティアは、主として繁華街等におきまして、防犯や環境美化等を目的として、自主的な活動を行っている個人及び団体であります。
〇松村委員
 十八条の二にボランティアを位置づけているのも、これも疑問なんです。本条例は、都民等による安全・安心な社会を形成するための自主的な取り組みを促進するものと、先ほど来、質問に繰り返し答弁されているとおりですよね。したがって、ボランティアに対して、必要な措置を講ずる努力義務を課す条項は、これまでに私は存在しなかったものだというふうに思います。自発的な活動を行っているボランティアに努力しろとの義務を課すほどおかしなことはありません。何をこれは意味しているんでしょうか。何をまたねらったものなんでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 これまでもご答弁申し上げましたように、安全・安心まちづくり条例は、権利を制限したり、規制を課すものではありません。ボランティアは、繁華街等におきまして、防犯対策の重要な役割を担っていることから、今後もそうした役割を期待し、積極的に参加、協力を求めることといたしました。
〇松村委員
 いや、積極的な役割を期待するのはいいんですよ。ただ、既にボランティアというのは、だからボランティアで、自主的、自発的な活動を行っているんですよ。それがボランティア。それに何か必要な措置を講ずる努力義務を課すのはおかしいんじゃないかと。その中に含めているんですよ。これもまた、非常にずさんなものと私は指摘しなければなりませんし、また別のことを、このことによってもねらっているのか。何か警察の、さらにボランティアを越えて、努力義務を課すようなそういう位置づけに何かしているんじゃないかと。今後そういう位置づけというふうに、私はこの点でも思わざるを得ません。

 次に、協議会の立ち上げや活動に対する費用はだれが負担するのですか。東京都からの助成は考えているのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 推進協議会の立ち上げや運営に関する経費につきましては、協議会の構成員からの拠出金や分担金、さらには、区市町村からの補助金等が考えられます。

 なお、都が実施する補助事業の対象となった場合には、推進協議会の立ち上げや活動にかかわる経費の一部を都が区市町村等を通じまして補助していく予定でおります。

 また、都からの助成はどうなのかということでございますけれども、都は、本条例案を踏まえまして、繁華街等の防犯対策を推進するために、平成二十一年度から三年間、十五地域を対象に補助事業を実施する予定でございます。
〇松村委員
 「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九の施策28に、繁華街の防犯対策を三カ年で十五カ所は、この条例に基づくものなんでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九に示された繁華街における防犯対策事業は、本条例の趣旨を踏まえまして、事業者や地域住民等による自主的、継続的な取り組みを推進し、繁華街等における防犯対策の充実強化を図るために実施するものでございます。
〇松村委員
 三カ年で十五カ所だけ都が助成するということですか。そして、十五カ所はどのようにして決めるのか。初年度の五カ所はどこを想定しているのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 平成二十一年度から、三カ年で十五カ所を対象に補助する計画でございます。

 十五カ所をどのようにして決めるのかということ、それから初年度の五カ所はどこかということでございますけれども、補助を希望する地域を管轄する区市町村から申請される推進協議会の事業計画や推進体制等を総合的に勘案いたしまして、決定する考えであります。
〇松村委員
 第十八条の三で、指針、これほど重大な指針を知事及び公安委員会がつくることになっています。これでは議会が白紙委任することになるんではないでしょうか。議会の関与はどうなるのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 行政運営に当たりましては、行政庁の一定限度の裁量は認められますが、無制限にそれが認められるというものではございません。当該条例の趣旨や目的、規定される文言等によりまして、それぞれおのずと限界は存在すると考えております。

 指針は、本条例の第一条の目的及び第二条の基本理念に基づくものでありまして、十八条の二に基づいて、事業者等がみずから講ずる内容でなければならないというふうに考えております。そのため、指針の項目自体を条例に規定する必要はないと考えております。この指針、条例の審議等につきましても、議会の皆様方にいろいろとご審議をいただいて決定されていくものであり、指針もその条例に基づき策定していくものでございますから、議会の皆様方といろいろとご審議をした上で、この指針も策定していくものであるというふうに考えております。
〇松村委員 例えば、ここでいうこの指針、これがパブリックコメントでも考え方として出されて、初めて我々見たんですよね。本議会の審議はこの条例文ですよね。今、答弁があった十八条の二は、その趣旨というか、書いてありますけれども、しかし、それを十八条の三で、知事及び公安委員会が定めると。おのずから何も無限定じゃないと、限定は存在するというんですけれども、それも何がどこまでが限定で、この趣旨、第十八条の二に基づけば、どのようにでも知事及び公安委員会が指針なるものを策定し、それに対しては、議会はこの条例を通した後、それについてチェックできないというか、事実、この考え方も、繰り返しになりますが、やはりパブリックコメントで出されたものによって私たちは判断して、きょう私もこの質疑を行っているわけです。
 まさに白紙委任というか、おかしいんじゃないですか、議会がこれを通した後に、そういう進め方というかあり方は。これはきちっとさせておかなければならないというふうに思います。この点についても重ねて答弁をいただきます。
〇八木沼治安対策担当部長
 白紙委任されているんじゃないかというご質問でございますけれども、ただいまご答弁申し上げましたとおり、指針策定に当たっては、本条例の基本理念等々に基づいて、しっかりとやはりその中身についても作成、まとめていかなくちゃいけないというふうに考えております。また、既に考え方という形で、パブリックコメントで、いろいろな都民の方々のご意見等もいただいております。そうしたことを踏まえ、また、この議会の中で審議をいただいて、その上で策定されていくものでございますから、白紙委任をしているというふうには当たらないと考えております。
〇松村委員
 指針、考え方は議会の審議を経て策定されていくということの答弁を、私は確認しておきたいというふうに思います。

 次に、改正案の中身について質問いたします。

 安全・安心まちづくり条例改正案が都民に何をもたらすのか。青少年・治安対策本部が行った一週間という極めて短い、短期間の不十分なパブリックコメントにも、表現の自由の侵害に当たる可能性があるとの都民の声があるように、都民の不安が広がっています。

 そこで私は端的に、改正される条例及び指針、そして協議会が策定する活動計画によって、一般交通に著しい影響を及ぼさないチラシ配布は自由とした有楽町判決、これは東京高裁で昭和四十一年二月二十八日の確定判決がありますけれども、この基準が変更されることが絶対あってはならないと思いますけれども、まずこの点を私は初めに厳重にただしておきたいというふうに思います。
〇八木沼治安対策担当部長
 ご指摘の判決は、道路交通法に基づく許可が必要となる行為に関する判決であると認識しております。そもそも安全・安心まちづくり条例は、犯罪の防止に向けて、都民等による自主的な取り組みを推進することを目的としております。権利を制限したり、規制を課すなど、強制力を有するものではありません。今回、条例に新設する規定や指針も同様の性格を有するものであり、この条例、指針によって、ご指摘の裁判で示された基準が変更されることはないと考えております。
〇松村委員
 ちょっと大事な点だから、私は確認も含めて、このパブリックコメントに寄せられた都民の意見に対して、東京都は、考え方は昼夜を問わず安全・安心な繁華街等を形成するための必要方策を示したものであるとした上で、安全・安心まちづくり条例及び他の指針と同様、都民等による自主的な取り組みを推進することを目的としており、権利を制限したり、規制を課すものではありませんと、考え方を示していますよね。これは、先ほど来の質問でも確認しております。

 であれば、条例本文もしくは指針に、今いった都民等による自主的な取り組みを推進することを目的としており、権利を制限したり、規制を課すものではない、このことはきちっと明記すべきではありませんか。
〇八木沼治安対策担当部長
 先ほど串田委員のご質問にもございました。その質問に対しまして本部長が答弁したとおりでございます。
〇松村委員
 先ほどの本部長の答弁、どういう性格かということで、地域住民、事業者の方々には、犯罪の防止に関心を持っていただき、自分のまちは自分で守るという意識を高め、自主的な防犯活動等を推進していただくためのご協力をお願いするものであり、何かをしていただくことを強制するとか、あるいは協力しないことで不利益をこうむるといったものではない、この点ですよね。

 これはしっかりと確認しておきたいというふうに思うんですけれども、今、私が質問したのは、だから、そのことをしっかりと条例や指針に明記したらどうですかと。そうすると、都民の不安はないんですよ。もし明記しないというんだったら、どう担保されるのかを伺います。
〇八木沼治安対策担当部長
 明記したらどうかというご質問でございますけれども、この点に関しては、先ほどご答弁申し上げましたように、本部長が答弁したとおりでございます。
〇松村委員
 それでは、再度本部長に聞きますけれども、明記するのですか。明記しないのですか。
〇久我青少年・治安対策本部長
 先ほど串田委員からのご提案がございました。この条例は強制力がない、そういった趣旨を、念のため、この条例の施行に当たっては明らかにしてはどうかというご提案でございました。そのご提案に対しまして、私の方から今後適切に対応するというふうに申し上げたところでございます。
〇松村委員
 適切に対応するで、この条例を通してくれじゃだめですよ。きちっとこの扱いを都民の不安がないように、そういう皆さん方が、この趣旨がちゃんとされるんだといったらきちっと、条例ですよ、これは法律ですから、後でも触れますけれども、絶対ひとり歩きさせてはならないという立場で、私も質問しておりますので、これははっきりさせていただきたい。委員会で、ぜひ採決前にはっきりさせていただきたいということを、この点については求めておきたいというふうに思います。

 それでは、この条例改正案は権利を制限したり、規制を課すものではないということですが、それは、この条例改正案によって都や警察署長、区市町村等の行政機関が、国民の権利を制限したり、規制を課すものではないということだけではなくて、ここで対象となっている事業者、地域住民、ボランティア、来訪者も、この条例改正案によって、他人の権利を制限したり、規制を課すものではないということでよろしいのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 これまでもご答弁を申し上げてございますけれども、この安全・安心まちづくり条例は、権利を制限したり、それから規制を課すなど、強制力を有するものではありません。したがいまして、この条例を根拠に、事業者や地域住民、ボランティア、来訪者の方々が、他者の権利を制限したり、規制を課すことはないと考えております。
〇松村委員
 それでは、いやしくもこの条例改正案を口実として、他人の権利を制限したり、規制を課すような者があれば、それが公務員であれ、民間人であれ、その行為はこの条例改正案の趣旨に反する違法な行為ということになりますが、いかがでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまもご答弁申し上げましたけれども、この条例は権利を制限したり、規制を課すものではありませんので、この条例に照らして違法か適法かという問題は生じないと考えております。なお、もしそうした行為があった場合には、この条例改正案に基づくものではないと考えております。
〇松村委員
 生じた場合は違法になりますねと聞いているんで、よるものではないというのはおかしいですね。やはり違法な行為だということは確認しておきます。

 それから、条例制定後、指針とされる予定の考え方にある啓発活動とは、広報宣伝を意味するのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 考え方にあります啓発活動とは、ポスターの掲出やチラシの配布、呼びかけなど、不特定多数の方に対する広報宣伝活動を指すと考えております。
〇松村委員
 それでは、啓発活動とは行為者への直接の指導や要請は当然含まないということですね。確認しておきます。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいま申し上げましたように、特定の行為者に対して直接ある行為を中止することや、ある行為を行うことを指導、要請する行為は、この考え方に定める啓発活動には含まれないと考えております。なお、多大な迷惑となる行為を行っている者に対しまして、注意を喚起したり、自粛を求めることは、これは当然の行為でありますけれども、それはこの考え方に基づくものではないと考えております。
〇松村委員
 注意を喚起とか自粛というのは、非常にあいまいなというか、幅がある、本当に人それぞれによってとらえ方が違うというふうに思うんですよ。そういうあいまいさを残すものは、やっぱりいろいろなトラブルだとか、逆に本当に自主的な活動だとか、そういう意識とか関心というものを逆に私は損ねるというふうに思います。

 それでは、その点が、啓発活動とは広報宣伝を意味しており、行為者への直接の指導や要請は含まないということですけれども、区市町村や警察署、その他行政関係機関などが行う啓発活動だけでなく、事業者、地域住民、ボランティアの行う啓発活動も、行為者への直接の指導や要請を含まないということでよいのですね。
〇八木沼治安対策担当部長
 この啓発活動についてでございますけれども、これまで申し上げましたように、この考え方に定める啓発活動というのは、不特定多数の方にポスターの掲出とかチラシの配布とか呼びかけ、こうしたことを行う広報宣伝活動を指すと考えております。したがいまして、特定の行為者に対しまして、直接ある行為を中止することとか、ある行為を行うことを指導、要請する行為は、この考え方に定める啓発活動には含まれないというふうに考えております。

 なお、先ほど申し上げましたけれども、多大な迷惑となる行為を行っている者に対して、例えば注意を喚起したり、自粛を求めるようなことは、これは例えば一社会人としてとか、大人としてとか、そういう行為として当然の行為でなされることもあろうかと思いますけれども、それはこの考え方に基づくものではないというふうに考えております。
〇松村委員
 考え方では、事業者、地域住民、ボランティアに求められる取り組みとして、ごみ、たばこのポイ捨てや歩行喫煙の禁止等のルール及びマナーの遵守にかかわる啓発活動が記載されていますよね。これは、ごみ、たばこのポイ捨てや歩行喫煙をしている行為者に対する直接の指導や要請は含まないということでよいのですね。

 また、ポイ捨て禁止や歩行喫煙禁止条例との関係はどうなのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 特定の行為者に対しまして、直接、例えばごみやたばこのポイ捨て等の行為を中止するよう、指導、要請する行為、これは先ほど来から説明しておりますように、啓発活動というのは不特定多数の方々に対して啓発活動を行っていくものでありますから、特定の行為者に対するこうした啓発活動につきましては、この考え方に定める啓発活動には含まれないと考えております。

 また、ポイ捨て禁止や歩行喫煙条例との関係はどうなのかということでございますけれども、都の安全・安心まちづくり条例や指針では、不特定の方々に対して、ごみやたばこのポイ捨て等に対する啓発等は行ってまいりますけれども、個別の行為者に対する指導、要請については、しかるべき権限を持った者が、区市町村の定めるポイ捨て禁止や歩行喫煙禁止条例に基づいて行うことになるのではないかと考えております。
〇松村委員
 第十八条の四で、警察署長が講ずることとされている必要な措置とは、具体的にどのようなものであるのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 条例改正案、第十八条の四の第二項の必要な措置とは、警察署長が、繁華街等におきまして、事業者、地域住民等が行う防犯訓練等に対しまして指導や協力を行うことなどを想定しております。
〇松村委員
 それでは、警察署長が十八条の四で講ずるとされている必要な措置は、防犯訓練の指導や協力などで、技術的、行政的措置にとどまるものですか。それとも、行為者への直接の指導や要請も含まれているのでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 条例改正案、第十八条の四の規定に基づきまして、警察署長が行為者に直接指導、要請を行うことはないと考えております。なお、警視庁からは、警察として街頭における迷惑行為の行為者に対しまして、直接指導、要請等を行うことはもとよりあり得ますが、それは警察法等の関係法令に基づいたものであり、本条例改正案に基づくものではないと聞いております。
〇松村委員
 警察署長が講ずる必要な措置には、直接指導、要請を行うことはないということですが、この第十八条の四の一項で、都が講ずる必要な措置というのもありますよね。この都が講ずる必要な措置というものも行為者に直接指導、要請を行うことはないということでよいのですね。
〇八木沼治安対策担当部長
 十八条の四の第一項の都が講ずる必要な措置についてでございますけれども、都が、推進協議会が定める計画に基づいて行う事業に対しまして、例えば共催や講演を連携して行うということなどを想定しております。都が十八条の四の第一項の必要な措置として、特定の行為者に対しまして、直接指導、要請を行うことはありません。

 なお、それぞれの執行機関が有する権限により、特定の行為者に対し、直接指導、要請を行うことはあり得ると考えております。
〇松村委員
 もう一点、この必要な措置について伺いますけれども、それでは、事業者、地域住民、ボランティア、来訪者が講ずるように努めるものとされる必要な措置についても、行為者に直接指導、要請を行うことはないということも確認できますね。
〇八木沼治安対策担当部長
 条例改正案、第十八条の二に定めます必要な措置とは、防犯知識の習得、自主防犯パトロールや環境美化活動など、推進協議会が行う活動への参加、協力などであります。事業者や地域住民、ボランティア、来訪者が、条例十八条の二の必要な措置として、特定の行為者に対して直接指導、要請を行うことはないと考えております。
〇松村委員
 先ほども質問がありましたから、簡潔にしていただきたいんですけれども、必要な措置を講ずる努力義務の対象に来訪者を加えているんですよね。これがやはりいろいろ幅広く解釈されて、なぜなのかということがその次の質問にもつながるんですけれども、再度簡潔にこれを加えた理由についてご答弁いただきたいと思います。
〇八木沼治安対策担当部長
 繁華街等の防犯対策を検討していただくために設置いたしました東京都安全・安心まちづくり有識者会議におきまして、繁華街等では来訪者が被害に遭うことも多いので、みずからの安全確保に努めることが大切であると。また国内外から多くの人が集い、憩う繁華街等を一層安全・安心な場所としていくためには、来訪者がルール、マナーを遵守し、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為の自粛が大切であるといった旨の議論がありました。

 こうした議論を踏まえまして、有識者会議の最終報告では、繁華街等を訪れる者に対しても、安全・安心な繁華街等の形成のために必要な協力を求めていくことが必要であるとしたことを提言に盛り込んだところでございます。この提言を受けまして、来訪者を条例、指針に規定することといたしました。
〇松村委員
 それでは、街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為を具体的に例示して、その行為にどう対応するのか説明してください。また、現場でだれが秩序を乱す行為であるかどうかを判断するのですか。これについてもきちっと明示してください。
〇八木沼治安対策担当部長
 指針にあります街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為とは、例えば肌をあらわにしたり、故意に下着を見せたりして、不特定多数の者に撮影を誘発する行為等が考えられますが、その対応は多種多様であると考えております。この条例や指針に基づきまして、特定の行為者に対して、直接指導、要請を行うことはありません。

 なお、繰り返しになりますけれども、多大な迷惑となる行為を行っている者に対して、注意を喚起したり、自粛を求めることは当然の行為でありますが、それはこの条例や指針に基づくものではないと考えております。
〇松村委員
 この指針、考え方では、街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為の防止にかかわる啓発活動について、事業者や地域住民、ボランティアに求められる取り組みというのがここで書いてありますね、第3に。1が事業者、それから2が地域住民で、ボランティアと。ここには、今いったパフォーマンス等に関する啓発活動というのがないわけです。記載されていません。ですから、パフォーマンス等に関する啓発活動は、区市町村や所管警察署、その他の行政機関が行うだけであるというふうに考えてよろしいのですね。事業者、地域住民、ボランティアは行わないということなんでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 考え方は、事業者や地域住民等に求められる取り組みを例示したものでありまして、限定列挙したものではございません。したがいまして、考え方に示されていないからといって、そうした行為ができないということはないと考えております。

 本条例は、多くの地域で、事業者や地域住民等による自主的、継続的な取り組みが推進されることを期待しております。指針に示されていない事項につきましても、地域の実情に応じて取り組んでいただくことは、むしろ望ましいことであると考えております。
〇松村委員
 それはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですよね。実際この指針となるもの、パブコメで発表されたものが入っていないと。それは限定的な例示で、限定的な列挙なんだということですけれども、これをパブコメで都民に明らかにしているんですよね。それとは違って、それはほんのというか、例示だと、限定的列挙だということになったら、この条例のやろうとしている中身や方向も定まらないということになりはしませんか。やっぱりそれはパブコメそのものの、行政手続といいますか、私はこれは問題じゃないかというふうに思うんです。だってただ示しただけであって、これは一例で、それ以外だって幾らでも今後つけ加わったり、やるんだと、行うことができるんだということになったら、この条例の性格も含めて、幾らそうなんだ、そうなんだと答えても、きちっと定まるんでしょうか。私は手続的にも、行政手続上もやはり今の答えはおかしいというふうに思いますけれども、どうなんでしょうか。
〇八木沼治安対策担当部長
 私のいい方が悪かったのかもしませんけれども、考え方は、あくまでも地域の方々や事業者の方々が取り組んでいくための方策を例示したものにすぎないんですね。だから、今、理事が限定列挙したものなんじゃないかとおっしゃいましたけれども、限定列挙したものではありませんと。あくまでも取り組んでいく際の方策を例示したものであって、限定列挙したものではございません。

 したがいまして、推進協議会で、例えばその地域の実態に応じて、うちでは、やはり考え方にはこういう事項があったけれども、こういうことも一緒にみんなで取り組んでいこうよということがあれば、それはそれで望ましいことであるというふうに考えております。
〇松村委員
 だから先ほどもきちっと条例に書き込まなければならない、指針に書き込まれていなければ、いろいろな事態、幾ら啓発活動といっても、やっぱりそれぞれ考え方やニュアンスやとらえ方の幅はいろいろあるわけです。それが本当にばらばらというか、推進協議会ごとで必要だと思うんだったら、たとえ直接的な要請とかを個別的にやらないといっても、張り切る方もいるでしょう、張り切る協議会もあるでしょう。いろいろなケースが出てくるようなあいまいさを持ったものを、私はやはりきちっとされなければならないというふうに思うんです。推進協議会がこの方針に記されていないことが、これから本当に次々に起きる可能性を指摘せざるを得ません。

 確認しますが、先ほど答弁にあったとおり、街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為とは、肌をあらわにしたり、故意に下着を見せたりして不特定多数の者に撮影を誘発する行為など、これらの行為を行為者において、良識に基づいて慎むよう期待する、その啓発活動に限られるんですね。ここは大事なところなんで、確認したいと思います。
〇八木沼治安対策担当部長
 パフォーマンス行為についてでございますけれども、先ほどは一例として、秋葉原で行われているような、非常に大衆に多大な迷惑をかけるような行為について申し上げました。いろいろな態様が、多種多様があろうかと思います。したがいまして、必ずしもこれに限定されるわけではございません。
〇松村委員
 例えば、こういう例示もあり得るんですか。例えばここの繁華街等は静かなんだと、一切音を出させないんだということで、不特定多数に向けて、ここは一切のそういう活動はやめましょうとか、宣伝活動を、政党も含めた宣伝活動は自粛しましょうとか、いろいろな、それはだから平和運動やいろいろなパフォーマンス、私たちもありますよ。それを一番心配しているんです。しかも、それを地域住民や事業者などがパフォーマンスというとらえ方で啓発活動をやるんだと。そういうキャンペーンを行うのも啓発活動だということになってしまうじゃないですか、もしそんなことをいうんだったら。それは一例だとか、例示だとかいいながら、それはきちっとさせてもらわなければ、やっぱり重大ですよ。

 先ほどは、だからそういうものに--だってそれをパブリックコメントで、これだから大丈夫なんです、安心なんですと、今のいろいろな議論があったりして、そう思う都民もいるかもしれませんけれども、今、質問してきたところにおいても、いろいろ今後で想定される。それは本当に幅広くなると思います。今、私が考えつかないことなんて多数あると思うんです。それが、言論や表現活動におけるものとしてどうなるのか。

 先ほど、それは萎縮させないといったけれども、明らかに、そのやり方によっては萎縮につながるじゃないですか。そういう文化的なパフォーマンスだとか、いろいろなのも、見る人によっては私は不快だと、多大な迷惑だと。この繁華街等を挙げてそれをやめさせようと、そういう一大キャンペーンを起こそうじゃないかというふうになりかねない、こういう問題も想定されますよね、想定ですけれども。それはみんな推進協議会に、あとは指針で任せるんだと。積極的にやってもらうという今答弁がありました。ここのところはやっぱり、しっかりはっきりしてもらわなければ困りますので、ご答弁願います。枠をはめてくださいよ。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいま申し上げましたように、パフォーマンスというのは、確かに理事おっしゃるように、いろいろな形態、態様があろうかと思います。ただ、何をやってもいいかということにはならないと思いますね。社会でいろいろな生活をしたり、活動をしていくためには、やはり一定のルールやマナーを守ってしっかりやっていこうというのが、この社会での常識だと私は考えております。ですから、これしかないとか、そういうことを私ども申し上げるわけではございませんし、それは、ちゃんとした活動については、しかるべき法律にのっとって、ちゃんとした許可をとって、そしてやっていただく分には、これはだれもそのことを規制したり強制したりすることではないというふうに考えております。
〇松村委員
 拡声機規制条例のときにもありましたよ。まちの祭りだとか、赤旗まつりもあの当時話題になりました。あれも祭りと。今みたくそういうのはきちっととってくださいと、何かそういう行政とか、地域のそういう公認、認められたものしか通らなくなるような答弁があるんじゃ、行き着いてしまうんじゃないですか、そのことをいってしまえば。やはりそれはパフォーマンスといっても、いろいろな文化や商店街の活性化もあるわけですよ。それがいろいろな見方によっては違う、はっきりしないものもある、それを条例で規定するというか、そういう啓発活動できる余地を残すというのは、やっぱりこれは問題がある条例だということを指摘しなければなりません。

 それでは、事業者、地域住民、ボランティアが、この条例によって他人の権利を制限したり、規制を課すことがないように、だれがどのような方策をとるのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 これまでのご答弁でも申し上げましたとおりでございますけれども、この安全・安心まちづくり条例、それからこれに基づく指針においては、他者の権利を制限したり、規制を課すなど、そういう強制力を有するものでありません。したがいまして、事業者や地域住民、ボランティアの方が、この条例に基づいて他者の権利を制限したり、規制を課すことはないと考えております。
〇松村委員
 この条例による必要な措置として、行為者に直接指導、要請を行うことはできないということをだれがどうやって徹底するのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 条例に定める必要な措置として、特定の行為者に対する直接の指導や要請を行うことはないと考えております。なお、多大な迷惑となる行為を行っている者に対して、注意を喚起したり、それから自粛を求めることは当然の行為でありますが、それはこの条例や指針に基づくものではありません。

 条例や指針については、都の広報に掲載するなどで、広く都民等に周知を図ってまいりたいと考えております。また、条例や指針の趣旨につきましては、東京都安全・安心まちづくり協議会や、区市町村の担当課長会などを通じまして、周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
〇松村委員
 もう一つ、啓発活動は行為者への直接指導や要請を含まないことを、だれがどうやって徹底するのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、啓発活動とは、ポスターの掲出やチラシの配布、呼びかけなどを不特定多数の方に対する広報宣伝活動を指します。条例や考え方に定める啓発活動として、特定の行為者に対して直接の指導、要請を行うことはないと考えております。
 なお、条例や指針の趣旨につきましては、東京都安全・安心まちづくり協議会や区市町村の担当課長会などを通じて、周知徹底を図ってまいります。
〇松村委員
 事業者、地域住民、ボランティアが他人の権利を制限したり、規制を課すことがあったり、
行為者への直接指導や要請をしたときは、だれがどのような責任をとるのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 この条例や指針に基づきまして、事業者や地域住民、ボランティアの方々が、他者の権利を制限したり、規制を課すことはないと考えております。また、この条例や指針に基づきまして、特定の行為者に対して直接指導、要請を行うことはないと考えております。

 なお、多大な迷惑となる行為を行っている者に対しまして、注意を喚起したり、自粛を求めることは当然の行為でありますが、それはこの条例や指針に基づくものではないと考えております。
〇松村委員
 都の機関で唯一加わる警視庁や警察署は、答弁の徹底に責任を持てるのですか。
〇八木沼治安対策担当部長
 街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、まちの秩序を乱す行為を行っている者に対し、直接の指導や要請を行わないという意味であれば、警察官がこの条例、指針に基づいてそうした指導、要請を行うことはないと考えております。

 なお、警視庁からは、警察としては、街頭における迷惑行為の行為者に対して直接指導、要請を行うことはあり得ますが、それは警察法等の関連法に基づきまして行うものであって、本条例改正案に基づくものではないと聞いております。
〇松村委員
 以上、質疑してきましたが、本条例案は、改正の動機を秋葉原や八王子の凶悪犯罪の防止に求めながら、その問題解決につながらないどころか、むしろ憲法第二十一条で保障された言論、表現活動の規制につながりかねない性格を持ったものです。

 しかし、きょうの質疑を通じて、都民などによる自主的な取り組みを推進することを目的としており、権利を制限したり規制を課すものではないことが明確になり、縛りがかかったものとなりましたが、今後の警察の解釈拡大、乱用の危険も否定できないものです。さらに、条例改正案は立法上も看過できない重大なミスがあることも明らかになりました。よって、本条例案は撤回すべきだと主張し、私の質疑を終わります。

 以上です。

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 いや〜、さすが! 「蟹工船」の時代から(?)政治弾圧・言論封殺とたたかってきたキャリアと重みを感じます。。
 以下は、翌日18日の意見開陳です。

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▼3月18日 総務委員会速記録第五号ヨリ
東京都議会トップ > 委員会の速記録 > 総務委員会 > 速記録第五号
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010179.html

〇松村委員
 日本共産党の意見開陳を行います。
 青少年・治安対策本部関係。

 一、ひきこもりやニートの相談事業を充実させ、対策を一層促進すること。

 一、青少年行政を生活文化スポーツ局に戻すとともに、治安対策、取り締まり中心から、青少年の健全な育成を促進する立場からの取り組みに立ち戻ること。
(略)
〇馬場委員長
 次に、付託議案の審査を行います。

 第三十号議案から第四十一号議案まで及び第八十八号議案を一括して議題といたします。
 
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。

 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。
〇松村委員
 初めに、第三十号議案に対し意見を述べます。

 昨日の委員会質疑によって、改正案の規定のあいまいさやずさんさが明確になり、立法上も看過できない重大なミスがあることを指摘しましたが、このまま条例を通すことなど到底できません。

 さらに、本条例案は、改正の動機を秋葉原や八王子で起きた殺傷事件の凶悪犯罪の防止に求めながら、その問題解決につながらないどころか、むしろ憲法二十一条で保障された言論、表現活動の規制につながりかねない性格を持ったものです。

 昨日の本委員会質疑で、条例による街頭行動への干渉は具体的行動への要請、注意はないと繰り返し、啓発活動も、肌をあらわにした撮影などの例示で、さらに広報や課長会議での徹底といった検証可能な担保策をとることが明らかになるなど、縛りがかかったものとなりました。

 しかし、警察の解釈拡大、乱用の危険も否定できない面があることも明らかになりました。よって、本条例案には反対します。

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