ディストピア TOKYO

失業者=犯罪者か?

by on 3月.13, 2009, under パブコメ

『「有識者会議の現状認識」
 東京都安全・安心まちづくり有識者会議報告書は「はじめに」において「米国発の金融危機を契機とした世界同時不況の影響等により、国内の景気や雇用環境などが悪化する中で、社会情勢がますます不安定化、不透明化し、犯罪の増加が懸念される。」とし「都はこれまで『治安の維持こそ最大の都民福祉』との認識に立ち…犯罪が起こりにくいまちづくりを 進めてきた。」としている。

●有識者会議の偏りと現在の状況
 有識者会議には東京商工会議所の茂木洋氏が出席しているが、東京商工会議所の会頭は東芝会長岡村正氏である。
 東芝グループは小泉構造改革の下、2001年に17000人の人員削減を発表した、当時人員削減計画を発表したのは岡村正氏その人である。そしてこの100年に一度という不況のなかで東芝グループは更に大規模な人員削減を計画している。
 このように大規模な人員削減を強行し続けている経営者は一切責任を取らない中で有識者会議報告は、雇用環境の悪化、社会情勢の不安定化を犯罪増加の原因としてあげている。
 そして座長以下、大学の研究者ら委員はみな犯罪防止という観点に偏っており、(小田啓二氏はガーディアンエンジェルス理事長)報告書の「 はじめに」においてなされている現状認識は、失業者=犯罪者であるかのような印象を受ける。
 現在、街には大量の失業者があふれている。にもかかわらず支持率が10%を割れた麻生内閣も政権の座に居座っている。経営責任、政治責任は、一切問われない。このような状況のなかで雇用環境が悪化したから治安維持、犯罪防止の まちづくりを行うというような発想は、そもそも本末転倒で間違っているのではないか? 
 また失業者の多くは、パブリックコメントに意見を言えるのだろうか?
 民主的な手続きに大きな疑問がある有識者会議を継続するべきではない。

 さらに報告書は推進協議会の役割として6番目に「 街頭や歩行者天国において、大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為の防止に係る啓発活動に関すること」としている。そもそも大衆とは、どの人々のことであり、多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為とは何をさすのか?
 これらは憲法で保障する表現の自由にかかわる重大な 問題である。
 秋葉原事件以来、秋葉原の歩行者天国は一方的に消滅させられた。有識者会議は自由な表現を通じて交流する場所としての秋葉原には、何の価値も置いていないように思われる。
 事実、審議計画においては、力点は、ほぼ防犯対策に置かれている。このような会議の認識が、多くの人々の合意の上に共有されるとは到底 信じることができない。』


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