ディストピア TOKYO

都議選ガイダンス 自民党の巻② 串田克巳議員(八王子市選出)

by on 7月.08, 2009, under タウン情報

★自民党の巻② 

 つづきまして、3月17日・総務委員会における、串田克巳議員(自民党・八王子市選出・愛称:クッシー)と、青少年・治安対策本部治安対策担当部長・八木沼今朝蔵君、青少年・治安対策本部本部長・久我英一君のやりとりです。

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▼3月17日 総務委員会速記録第四号ヨリ

東京都議会トップ > 委員会の速記録 > 総務委員会 > 速記録第四号
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010178.html

〇串田委員
 今定例会に提案されている安全・安心まちづくり条例の改正案について、賛成の立場から質問をさせていただきます。

 東京都安全・安心まちづくり条例が制定された平成十五年当時は、犯罪の発生件数が非常に多かったと記憶している。そこで、当時の治安状況を確認したところ、当時は、都内における刑法犯の認知件数が増加の一途をたどっており、平成十四年の認知件数は、三十万件を超えて、過去最多であったと聞いております。

 そのような社会状況の中で、平成十五年度、安全・安心まちづくり条例が都議会に提案され、可決成立しましたが、そもそもどのような目的で制定されたのか、まず確認をさせていただきます。
〇八木沼治安対策担当部長
 平成十五年に制定されました現行の安全・安心まちづくり条例は、多くの都民の方々に防犯意識を持っていただくとともに、都、区市町村及び都民等の連携と協力のもとに、安全・安心まちづくりに関する取り組みを効果的に推進することを目的として制定されました。
〇串田委員
 当時の条例を審議した警察・消防委員会では、我が党の樺山委員【引用注:樺山卓司都議 自民党・葛飾区選出・愛称・かばさん】が杉並区の安全美化条例などを例に挙げ、条例の実効性を担保するためには罰則規定を設けることは当然ではないかと警視庁に質問しているが、そのときの警視庁の答弁はどのようなものか、お伺いします。
〇八木沼治安対策担当部長
 当時の警視庁答弁によりますと、本条例案は、都民が安全で安心して暮らすことができる社会の実現を目指して、都や都民、事業者の責務を明らかにするとともに、地域住民による自主的な防犯活動の促進、犯罪の防止に配慮した環境を整備するための諸施策、学校等における児童の安全確保など、犯罪の防止に関する都、都民、事業者の総合的な取り組みを定めるものであり、安全・安心まちづくりに向けた都全体の方向性を示す基本条例というべきものであります。安全で安心なまち東京を実現していくためには、何よりもまず、行政機関はもとより、都民や事業者が安全・安心まちづくりの趣旨を理解し、その力を自発的に結集していただくことが肝要でありますので、罰則による実施を担保すべきような事項は盛り込んでいないところでありますとお答えしております。
〇串田委員
 それでは、今回の条例改正でそういった安全・安心まちづくり条例の性格は変わるのか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 今回、条例に新設する繁華街等における安全・安心の確保に関する規定は、繁華街等における事業者や地域住民等の自主的な防犯対策の推進を目指したものであり、事業者や地域住民等の権利を制限したり規制を課すものではなく、強制力を有するものではありません。したがいまして、今回の条例改正で、安全・安心まちづくり条例の性格が変わることはないと考えております。
〇串田委員
 この条例が強制力はなく、罰則もないものであるということはよくわかりました。
 しかし、一部には、意図的かどうかはわからないが、関係する人々の行動を規制しようとしているものだというような意見もあるように聞いております。そういった誤解、曲解を避け、都民等に対し、この条例の性格を十分に理解してもらうためにも、念のため、条例の施行に当たっては、その趣旨を明らかにしてはどうか。それが都民等の自主的な取り組みを促すことにもなると考えるが、所見を伺います。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいまお答えしましたとおり、本条例は強制力を有するものではありません。しかしながら、委員ご指摘のようなご意見があることも事実であります。ただいまご提案の趣旨を踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。
〇串田委員
 ところで、本条例制定後の都内の犯罪発生状況はどうなったのか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 都内の刑法犯の認知件数は、戦後最悪を記録しました平成十四年の約三十万二千件から六年連続して減少し、平成二十年には二十一万二千百五十二件となりました。特に、侵入窃盗は戦後最少の約一万一千件まで減少いたしました。この二十一万二千件という数値は、日本が世界で最も安全だといわれていた昭和四十年代の水準であります。
〇串田委員
 犯罪の発生件数は減少したということはわかりましたが、その理由についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 警察による取り締まりや入国管理局などによる不法滞在者、不法滞在外国人対策の強化はもとより、安全・安心まちづくり条例の施行によりまして、都や区市町村での取り組みに加えまして、地域の防犯ボランティアの団体による防犯パトロールなどが充実したことなど、地域の防犯力が高まり、それらが相まって犯罪の認知件数が減少したものと認識しております。
〇串田委員
 この条例制定後、私の地元、八王子市でも生活安全指導員を配置して、巡回パトロールや青パトによる巡回など、地域のパトロール強化の取り組みが盛んになって、効果が上がっています。また、都内の防犯ボランティア団体も防犯意識の高まりとともに年々増加し、現在では三千八百団体、十五万人を超える規模となった。これは平成十五年と比べると、団体数で約二十五倍、人員数で約十一倍の増加をするなど、住民自身による防犯への取り組みは飛躍的に拡充されたと聞いております。

 しかしながら、一方で、残念なことではありますが、昨年の七月に八王子の駅ビルで無差別な殺傷事件が発生しました。そこで、繁華街にスポットを当てて防犯の取り組みを進めることで都民の方々に安全・安心を確保する今回の条例改正は、的確な対応であると我々は受けとめております。

 そこで、今回の条例改正についてお伺いいたします。

 私ばかりでなく、都民のほとんどの人が同じ考えだと思いますが、念のため、安全・安心まちづくり条例に繁華街の防犯対策を新設すべきという判断をした背景、社会認識がどのようなものか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 都は、これまでも安全・安心まちづくり条例に基づきまして区市町村、都民等と連携し、さまざまな安全・安心まちづくりの施策を推進してきております。都内における刑法犯の認知件数が六年連続して減少しております。都政への要望では、治安対策が五年連続して第一位となるなど、都民の体感治安は依然として回復していない状況にあるかと考えております。

 特に、都内の繁華街等におきましては、違法風俗営業や客引き、暴力団による資金獲得活動などが繰り返されていること、また、ご質問でもご指摘があったように、秋葉原や八王子などで無差別殺傷事件が発生したことなどから、都民の間に不安が広がっていることから、繁華街等の防犯力を高め、都民の体感治安を改善していくことが重要であると認識しております。
〇串田委員
 多くの人々が集まる繁華街という場所で、無差別的な殺傷事件が発生し、いつ自分も巻き込まれるかわからないという不安感が、都民の方々に治安に対する不安が取り除けない大きな要因であると思います。私もそのような考えでおりますので、そのような認識を踏まえて、今回の条例改正を行う目的をどうとらえているのか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 ただいま申し上げましたように、多くの人々が集い、憩う繁華街等におきまして、無差別殺傷事件など、予測できない動機不可解な犯罪が発生したことなどで、都民の間に不安が広がっているといった社会的な背景があります。こうした都民の不安を払拭するためにも、繁華街等の安全・安心を確保していくことが必要であると考えております。

 そのためには、行政、警察による対策に加えまして、事業者や地域住民等による自主的な取り組みも重要であります。こうした地域ぐるみの防犯活動を推進することを目的といたしまして、今回、条例改正の提案をしたものでございます。
〇串田委員
 今回の条例改正により、繁華街の防犯について、どのような効果が期待できると考えているのか、お伺いいたします。
〇八木沼治安対策担当部長
 どのような効果が期待できるかということについてでございますが、条例とそれに基づく指針にのっとりまして、繁華街等において、事業者や地域住民、区市町村、管轄の警察署等が連携いたしまして、地域の実情を踏まえた地域ぐるみの防犯対策が推進されることで、繁華街等がより一層安全で安心な場所となり、都民の体感治安の改善にもつながるものと期待しております。また、繁華街等におきまして、事件や事故等の発生時の対応訓練が行われることにより、万が一事件等が発生した場合でも、迅速な対応が期待できると考えております。
〇串田委員
 今回の条例改正は、繁華街を含めた都内の安全・安心を確保し、向上させ、都民の体感治安の改善につながる、まことに時を得たものであると受けとめています。先ほど答弁にもあったように、都や市区町村、警察の取り組みに加え、地域のさまざまな団体、住民が自分たちの問題として防犯に取り組むことで、繁華街を初めとした都内全体の防犯力のさらなる向上にもつながるものと期待しております。

 最後に繁華街等における防犯対策の強化を含め、東京都の安全・安心の確保に向けた本部長の決意をお伺いいたします。
〇久我青少年・治安対策本部長
 都は、これまでも安全・安心まちづくり条例に基づき、子どもの安全確保対策を初め、防犯ボランティアの活動支援、地域防犯モデル事業、防犯カメラの整備支援等を推進し、地域の防犯力の向上に努めてまいりました。こうした取り組みと警察による取り締まり等が相まって、刑法犯の認知件数は六年連続して減少するなど、数字上、治安は改善しておりますが、都民の体感治安は回復してはおりません。

 そこで、今回、安全・安心まちづくり条例を改正し、従来の対策に加えて、多くの人々が集い、憩う繁華街等における防犯対策を充実強化することといたしました。今後とも、区市町村や警察、地域の皆様との緊密な連携のもと、重層的、複合的な取り組みを推進して、都民の体感治安を改善し、世界一安全で安心な首都東京の実現に努めてまいります。

 なお、先ほど委員から、この条例は強制力がない、そういった趣旨を、念のため、条例の施行に当たっては明らかにしてはどうかというご提案がございました。このご提案につきましては、今後適切に対応してまいります。
〇串田委員
 これまでの質疑で、安全・安心まちづくり条例が地域の安全を確保するための住民や事業者など、自主的な取り組みのよりどころになってきたこと、また、今後もそういった役割を期待されていることが明らかになりました。今後も本条例を活用しながら、今、本部長からの決意表明もありましたが、東京の安全・安心の確保に向けて全力で取り組んでいただくことを期待して質問を終わります。

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 なんつうか、「ささ、こっち座ってご挨拶しなさい」的な、「がんばってる治安本部諸君をご紹介します」みたいなこそばゆい感じの、何とも仲良さそうなやりとりですね・・・なんか読んでて赤面(笑)


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